WCTウィメンズ第4戦 ビラボン・プロ・タヒチ
2005-05-11 更新
現地時間5月9日(月)。タヒチにて行われていたウィメンズWCTの第4戦「ビラボン・プロ・タヒチ2005」において、オーストラリア・サーフィン界の秘蔵っ子の一人であるチェルシー・ジョージソンが、ウェスタン・オーストラリアのベテラン選手であるメラニー・レッドマン・カーを破って優勝を果たしました!試合会場はビッグウェイブポイントとして世界的に有名なチョポ(teahupoo)で、R1~R3は4-6ftのグッドコンディションでしたが、クォーター・ファイナル以降が行われたこの日は、強い風雨の中の4-5ftとハードな状況。
ジョージソンは果敢に波に挑むガッツと、彼女のトレードマークとも言える、波に対する知識の深さを見せ付けました。彼女にとっては昨年の12月にマウイで行われたビラボン・プロ以来のWCTでの優勝です。そして一方のレッドマン・カーにとっても2002年のフィジーで優勝して以来のファイナル進出という嬉しい復活劇となりました。
嵐のために、海岸から900mのところにあるコンテスト・タワーからのアナウンスやジャッジ・スコアの電源を落とすことを余儀なくされた状況の中、ジョージソンは戦略とサーフィンの技術とを用いて、35分間のファイナル・ヒートの最後には、同じオーストラリアの先輩であるレッドマン・カーに7.34Pの差をつけたのでした。
クォーター・ファイナルでハワイアンのビッグ・ネームであるロシェール・バラードを、またセミ・ファイナルではワールド・チャンプであるペルーのソフィア・ムラノビッチを破って優勝を果たしたことで、ジョージソンはWCTのツアー・レイティングにおいて5位から2位へとジャンプ・アップし、ハワイアンのメーガン・アブボより僅かに上位につけました。レッドマン・カーは、同じオージーの仲間でレジェンドとも言えるレイン・ビーチリーの4位につぐ5位に順位を上げています。
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■西よりのピークを奥から攻めたジョージソン
「これまでもクォーター・ファイナルやセミ・ファイナルまではいってたから、一応はオッケー・ラインの結果ではあったのだけど、そこで負けちゃってファイナルにはいけてなかったから、今回はファイナルに出られてしかも勝てたことがとっても嬉しいの。しかも、ここ、チョポのチャレンジングな波が舞台なんだもの。」とジョージソン。彼女は海から上がってすぐ、WCTメンズツアーに参加している2~30人のサーファーたちの祝福を受け、満面の笑みを浮かべていました。
この日の午後に行われたファイナルでのジョージソンとレッドマン・カーとのアプローチの違いの一つとして、ジョージソンがたまにしか入らない不安定な西よりのピークを狙っていたことが挙げられます。実は彼女は、ローカル・サーファーのラマイナ・ヴァン・バストレアのアドバイスに従っていたのでした。ラマイナと言えば、チョポのリップに飛ばされるジェットスキーの下をくぐり抜けてバレルをメイクする姿が、先週インターネットを通じて全世界に配信され、一躍、時の人となっているあのサーファーです。ジョージソンは、チョポのノーマルなテイクオフ・ゾーンよりも深いその位置から、2本のハイスコアを叩き出したのでした。
「ラマイナがアウトに出ようとする私を見て言ったの。西から入る波の方がバレルになるから、メイクできるなら、その波を狙えって。だから、それを狙ってたのよ。」とジョージソン。
「6'1''のボードに代えたら掘れてくる波の中でも安定して乗ることができた。バレルにはそれほど深くは入れなかったのだけど、テイクオフがイマイチだったから、メイクできただけでも良かったわ。ツアー・レイティングで2位に上がれて嬉しいわ。こうなったらあとは1位になるだけね。」とジョージソンは微笑みました。
第4戦を終えた時点で彼女と1位のソフィアとの差は648ポイントで、2006年のワールドタイトルを決める試合はあと5戦です。
「ここまでソフィアは2戦に勝っていて、ここでも3位。追いついて彼女に勝つのはまだかなり難しいわね。とにかくファイナルに残り続けること。舞い上がらずに、とにかくサーフィンすること。この優勝だけにあまり喜び過ぎないようにしなくちゃ。」とジョージソンはコメントしました。
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■レベッカ・ウッズが自己最高の3位に
2004年のルーキー・オブ・ザ・イヤーであるレベッカ・ウッズはメラニー・レッドマン・カーに敗れましたが、オージーのトゥルーディー・トッドとのクォーター・ファイナルに勝ってセミ・ファイナルに進出したのでした。
「セミ・ファイナルではすごくナーバスになっちゃって・・・」とレベッカ。「リラックスしてここの波をよく見なくちゃいけなかった。何度か波待ちポジションがズレちゃったし、ちょっと焦って躊躇してしまって。でもこれまででは最高のリザルトだしね。ここからまた少しずつ良くしていけばいいんだから。もう少し滞在して、経験を積んでみようかと思ってるの。」
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■ソフィア・ムラノビッチも3位でツアー首位をキープ
現ワールド・チャンプのソフィア・ムラノビッチは「まだまだシーズン終了までには長い道のりだわ。最悪のスタートからは随分立ち直ったけど、ツアー・レイティングは見ないようにしてるの。私はここにサーフしに来てる。そしてベストを尽して良いリザルトを勝ち取るだけよ。」とコメントしました。
ソフィアはクォーター・ファイナルで、ビラボン・プロ・タヒチで過去3回優勝しているカウアイのキアラ・ケネリーに勝ってセミ・ファイナルにまで上がったのでした。キアラは長いバレルから抜け出るのに失敗して敗退したのでした。
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■ベテランのレッドマン・カーが久々の準優勝
メラニー・レッドマン・カーは、クォーター・ファイナルで南アフリカのヒーザー・クラークに勝ち、セミ・ファイナルではレベッカ・ウッズに勝ちました。
「この場所では特に、女の子たちはみんな団結するのよ。」と準優勝