今シーズン2度目の「ケリー vs オーウェン」その結果は?
2009-10-25 更新

溢れんばかりにビーチに集まった熱狂的なギャラリーの目の先には、3-4ftレンジのクリーンな波の上で勝負する世界トップのサーファー。シンプルながら贅沢な舞台に、また新たなドラマが生まれた一日でした。
その主役となったのは、R1でケコア・バカルソ(HAW)を抑えたワイルドカードのオーウェン・ライト(AUS・写真)と僅かに残された10Xの可能性を賭けたケリー・スレーター(USA)の20歳近くの年齢差がある二人。
H9で対決した両者。まずはケリーが4pt台と5pt台を重ねて序盤の主導権を握り、ヒートが進行。更にライトの波でコンパクトなバレルをメイクしたケリーは7.00を叩き出し、リードを広げます。
しかし、ここで終わらないのがオーウェンの強さ。フロントサイドでクリーンなバレルを抜けて7.10、次の波ではアプローチを変えて大きなエアー360を決めて6.63をスコアし、逆転!
ケリーはスコアが出やすいバレルになる波を的確にチョイスし、7.13を返して再逆転しますが、優先権を持っていたオーウェンは慎重に波を選び、ディープなバレルを抜けてカットバック、リッピングを重ね、7.73をスコア。ラスト数分で見事な逆転劇を演じて勝利を手に入れたのです。
海から上がってきたオーウェンは腕を高らかに上げてガッツポーズ。ヒート直後のインタビューでは、「最高の気分!波数が少なくて、本当に難しいヒートだったんだ。ケリーは最初から飛ばしていたけど、オレはとにかく大きくて良い波を待っていた。ケリーのヒートはいつも見ているさ。だから、一緒に戦うことが出来て本当に嬉しいし、良い刺激になるよ」と話していました。
ワイルドカードで出場した第2戦のベルズでもケリーを倒しているオーウェンは、”ジャイアントキラー”の異名を与えられ、次のR3では同じようなタイプのサーファー、デーン・レイノルズ(USA)と戦います。これからのASPワールドツアーを引っ張っていくだろう「新世代 vs 超新世代」のカードは非常に楽しみですね。
一方、今イベントでの優勝がワールドタイトルの最低条件だったケリーは、R2を敗退した時点でその道は完璧に閉ざされてしまいました。
「今年のドリームツアーはまるで悪夢さ。勝者がいれば敗者がいる。これでタイトルレースからは脱落しちゃったね。まあ、今年はパイプで勝てたら良いとしよう。出来たらアンディと戦いたいね」とケリー。
最終戦のパイプラインは昨年も含めて過去数回優勝している得意の場所。今シーズンはツアーを休止しているアンディ・アイアンズ(HAW)もワイルドカードで出場する予定なので、対決する可能性もありそうです。
2009年のワールドタイトルに最も近いカレントリーダーのミック・ファニング(AUS)と2位のジョエル・パーキンソン(AUS)は揃ってR3へ。
数字上では3位のアドリアーノ・デ・スーザ(BRA)も含めて色々なシナリオがありますが、今イベント前に発表されていた「ミックが優勝した場合、ジョエルが9位以上、アドリアーノが3位以内に入らなければミックのタイトル確定」のパターンはジョエルの9位以上が決まったため、崩れました。
世界最大級の波情報サイト「Surfline」によると、ペニチェに入っている西北西ウネリはあと2日間続く予想。
ネクストコールは現地時間10月25日の朝7時30分(日本時間の10月25日午後4時30分)
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photo: ASP Covered Images