サーフィン史上最高の優勝賞金を手にしたのは誰だ?
2009-09-21 更新

2007年のワールドチャンピオン、ミック・ファニング(AUS)とカリフォルニアが誇る次世代サーファー、デーン・レイノルズ(USA)がファイナルを戦い、コンスタントにハイスコアをメイクしたミックが今シーズン初優勝を決めました!
「もう、胸いっぱいさ」と嬉しそうなミック。さらに「ハーレーのみんなに大感謝!デーンのことも大いに褒めたいね。彼のライディングは数年後の世界基準。オレ達に刺激を与えてくれてありがとうと言いたい。波は悪かったけど、サーフィンだから仕方ないと思っているよ。どんなコンディションでも文句は言えないし、パーフェクトなトラッセルズを想像してただ座っているわけにはいかないからね」とコメント。
ファイナルで飛び出したのは、ミック。ワイド気味のライトの波にスピーディーにアクションを仕掛け、7.83をスコア。続けてレフトの波を掴んだミックは3.83のバックアップスコアを重ねます。
慎重に波を選ぶデーンは一本も波に乗らずヒート中盤に...。一方のミックは小さめのライトの波で6.17をメイクし、デーンをコンビネーションスコアに追い込みます。
やっと最初の波をキャッチしたデーン。ライトの波にターンを刻みますが、5.00とスコアは延びず...。
ミックは後半に8.50、8.90を続けて叩き出し、更に有利な展開に持っていきます。
デーンはフィニッシュにエアリアル360を取り入れて7.33を返しますが、それでもコンビネーションスコアは変わらず、そのままファイナルが終了しました。
「もし、優勝したいなら全ての選手に勝つ気持ちじゃないとダメ!ケリーだけじゃなくて、みんなだよ。ケリーを倒したのは通過点。もちろん、ケリーは特別さ。でも、今はデーンとのファイナルにストークしているんだ。タイトルに関しては、この1勝だけでアプローチを変えることはない。レイティングを7位からアップさせたいとは考えていた。7位ではハッピーと言えないからね。もし、今年もタイトルを獲得出来たら、それは大きな意味を持つと思う。そのためには、もっとハングリーになる必要があるね」とミックは優勝後の気持ちと、一気に開けてきた2回目のワールドタイトルへの道について話していました。
ミックは7位から一気に2位へジャンプアップしましたが、1位のパーコとの差は約1000ptもあります。更に2位以下は混戦状態なので、まだ油断は出来ません。
ミックのコメント通り、デーンのサーフィンは他の選手と一線を画するアプローチで、見る方の立場からすると非常に面白いものでした。
デーンがメイクした9.70と9.67はイベント中のハイエストスコアと2番目のスコア。つまり、一つのライディングとしてジャッジされた数字で判断するとデーンが最も高い評価だったのです。
「初めてのファイナルで勝つのは難しいよね。そう思わない?」とデーンらしい人懐っこい表情でまずは一言。さらに「ファイナル前に治療をしたんだ。普段は一日でこんなにサーフィンしないから、筋肉がけいれんしちゃって...。たまに長い間サーフィンをすることもあるけど、続けてヒートをこなすのは訳が違う。全てのセクションに仕掛ける必要があるしね。トラッセルズはスケートパークみたいなもので、上手く利用すれば大技も出来るし、スピードも出しやすい。残念ながらイベント中は良い波とは言えなかったけど、ファイナルデイは少し波が上がってくれて、ちょっとは良くなったかな」とコメント。
2008年にジョーディ・スミス(ZAF)と共にゴールデンルーキーとしてツアーにデビューしたデーン。しかし、両者揃って期待されていたような成績は残せず、プレッシャーだけが重くのしかかっていました。2年目の今年はまずジョーディが第2戦『Rip Curl Pro』で3位に入り、デーンも第5戦『Billabong Pro』で3位、そして今回の2位と徐々に実力を発揮し始めています。デーンはレイティングを20位から11位にアップさせ、シーズン後半の重要ポイントであるヨーロッパレッグに突入します。
次のASPワールドツアーは9月23日~10月4日にフランスのホセゴーで行なわれる第7戦『Quiksilver Pro』。
ASPワールドツアー第6戦
『Hurley Pro』結果
1位 ミック・ファニング(AUS)
2位 デーン・レイノルズ(USA)
3位 ケリー・スレーター(USA)、ビード・ダービッジ(AUS)
5位 アドリアーノ ・デ・ スーザ(BRA)、テイラー・ノックス(USA)、ヘイター・アルヴェス(BRA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)
『Hurley Pro』公式サイト
http://www.hurley.com/hurleypro/(PC用)
photo: ASP Covered Images