『Billabong Pro Teahupoo』ファイナル詳細!
2009-05-20 更新

最後までリアルなチョープーの波は姿を現しませんでしたが、ウェイティングピリオドが翌日に迫っていたため、コンテストディレクターのルーク・イーガンは前日と同じような3-5ftレンジのコンディションでゴーサインを出すことを決断。
ファイナルまで勝ち進んだのは、チョープーでの優勝経験があるボビー・マルティネス(USA・写真)と、どちらかと言うとこの手の波が不得意なタジ・バロウ(AUS)の二人。
ファイナルは両者共に8pt台のスコアでスタート。波数が少ない中、タジが5pt台のバックアップスコアを手に入れてリードを握ります。ヒート中盤、慎重に波を選んでいたボビーが2本目の波にテイクオフ!スッポリとバレルに包まれ、完璧に姿を消してから綺麗に出口から現れ、大歓声が!パーフェクトに近い9.73がアナウンスされ、一気にタジをコンビネーションスコアに追い込みます。波に乗った本数では圧倒的に多かったタジですが、最後までボビーを上回るスコアは出せず...。
「最高の気分!ちょっと感情的になっているよ」とボビー。さらに「素晴らしい気分だね。良い波を待っていたんだけど、ラッキーなことに手に入れることが出来た。波数が少なかったから、何本か良い波に乗ってヘマをしなかっただけでも十分ラッキー(笑) 今日はオレにとって良い方向に事が進んだようだね。言葉では表現出来ないほどスペシャルな気持ちさ!」と満点のスマイルでファイナル終了後のインタビューに答えていたボビー。ウィニングボードは他のサーファーから借りたものだったそうです。
「実はアラン・リウ(ローカルのタヒチアンサーファー)からボードを借りたんだ。彼はオレと同じようなサイズの”ダレン・ハンドリー”のボードに乗っていてね。昨日、それを発見した時は嬉しかったさ。今日のようなコンディションでそれを使用するのは不安だったけど、全てが完璧だったよ!」とボビー。タヒチに持ち込んだボードの大半がリーフの餌食になってしまったための手段でしたが、ハードなポイントでの戦いを強いられるワールドツアーでは意外と良く聞く話です。
昨年までのメインスポンサー「Reef」から離れ、金銭的に苦難の年となっているボビーですが、今回の優勝でトータル7位までランキングを上げ、ルーキーイヤーから継続しているトップ10に返り咲いています。
「今はお金のことは考えていないさ。それよりも自分の気持ちの方が大事。オレはお金を稼ぐためにサーフィンを始めたわけではないから...。自分のため、今日のような勝利を手に入れるため。この気持ち良さに値段は付けられないさ(笑) お金よりも楽しむこと!良い結果を残すことに全力を尽くしたい。これから長いシーズン、何が起こるか分からない。このイベントが終わってもジョエルは素晴らしいリードを保っている。オレの焦点は次のイベントに向かっているよ」と話していました。
チョープーの波にバックハンドで挑んだタジは優勝こそ逃したものの、トータルでは2位にランクアップ。1位のジョエル・パーキンソン(AUS)とは約700ptも差がありますが、強敵のケリーが不調の中、初のワールドタイトルに狙いを定めているのは間違いないでしょう。
「2つの良い結果を残して更にハングリーになっているよ。やる気満々だし、もちろん優勝を目指している。これから先の数イベントは気持ちを高めて勝利のためなら何でもするつもりで挑む。チョープーでの結果は素直に嬉しい。ここ数年は良い結果を残せなかったからね。年末に向けて、まずは最高の出だしさ」と意気揚々と話していました。
全10戦中、3戦を終了したASPワールドツアー。開幕2連勝を上げたジョエルがダントツでトップに立っていますが、ワールドタイトルが見える位置とはまだまだ言えません。2位のタジと7位のボビーとの間も約300ptしか差がないので、現時点では多くの選手に逆転のチャンスが残されています。なお、注目のケリーは17位が3回続いてトータル25位。ここからトップまで這い上がるには驚異的な追い上げが必要でしょう。
次のイベントは6月27日~7月5日にブラジルのサンタカリーナで行なわれる「Hang Loose Santa Catarina Pro」
第3戦『Billabong Pro Teahupoo』結果
1位 ボビー・マルティネス(USA)
2位 タジ・バロウ(AUS)
3位 マイケル・キャンベル(AUS)、アリッツ・アランブルー (EUK)
5位 C.J・ホブグッド(USA)、テイラー・ノックス(USA)、アドリアーノ ・デ・ スーザ(BRA)、トム・ウィタカー(AUS)
photo: ASP Covered Images