2009年ASPワールドツアー第1戦『Quiksilver Pro』R1終了!
2009-02-28 更新

夕方までにR1の全てのヒートが終了しました。
今シーズンも一番の注目選手は昨年に全11戦中6勝という圧倒的な強さで前人未到の9Xを達成したケリー・スレーター(USA)でしょう。2月に37歳の誕生日を迎えたばかりのケリーが、昨年のような強さをキープ出来るのか?例年だとシーズン前にフル参戦を濁らせるようなコメントをするケリーですが、今年はやる気十分のようなので、全ての選手にとって怖い存在になることは間違いありません。
その証拠にダイヤン・ネイブ(AUS)とダニー・ウィルス(AUS)とのH8では、オンショアの影響が入った難しいバンピーコンディションの中、一人だけ違うスピードで波を切り刻み、早々と6pt台と5pt台のミドルスコアをまとめて余裕のラウンドアップ。
それも乗っていたのは、自らが削った5.4という短さのボード。サーフィンだけではなく、シェイプに関しても非凡な才能を持ったケリーは、「今日は自分で作った5.4の小さなボードでサーフィンしてみたんだ。普段のボードと比べると大幅に違うデザインなんだけど、テイルは同じような形。これはボードをどんどん短くしてみたいオレの欲求の一歩。昨年に使用していた5.10~6.1くらいが妥当かなと思ってたんだけどね。5.4は短過ぎたから、5.6か5.7くらいに最後は落ち着くかな」とコメント。
ケリー自身よりもメディアの方が盛り上がっている10Xへの可能性については?「その方(9Xよりも10X)が聞こえは良いけど、正直、欲は無いんだ。誰かに尋ねられた時だけは話すけど。10の方が切りが良い数字だし、二桁ってのも良いよね。それに滅多に出来ないことだから、メイクしたら嬉しいさ」と話していました。
このコンディションを逆に味方に付けたのは、9.00を含む17.50のハイエストヒートスコアを出したダミアン・ホブグッドでしょう。昨年は怪我に泣かされて24位という不本意な結果だったダミアンでしたが、R1で見せたバックハンドのスナップは他のどの選手よりも力強く、双子のCJとアリッツ・アランブルー(EUK)を全く寄せ付けず、R3へコマを進めました。
「マジで楽しかった~!!CJとストークしていたよ。波数が豊富だったし、ここで負けてもチャンス(R2の敗者復活戦)はあるから、あまり勝ち負けを気にしなかった。D-Bahの波はハンティントンに似ていて、パドルアウトすると全ての波が逃げていくように思える。オレが待っていた場所は沢山のセットが入ったからラッキーだったね」とダミアンは笑顔でコメントを残していました。
昨年のジョーディ・スミス&デーン・レイノルズのようなスター選手はいませんが、平均的に見ると今年のルーキーは質が高いようです。
特にR13に登場したクリス・デヴィッドソン(AUS)とケコア・バカルソ(HAW)の戦いは素晴らしく、序盤からリードをキープしていたクリスのサーフィンはDJのマーティン・ポッターとトム・キャロルも絶賛するほど。最後に大逆転を決めたケコアのライディングにはハイエストスコアの9.33がアナウンスされ、ビーチに集まった多くのギャラリーも興奮していました。
「彼(クリス)は攻撃的だったね。オレが一本目の波を乗って彼が二本目を乗るような展開だったんだ。でも、それを破って特別な何かをしないと勝てないって分かったのさ。R2行きは嫌だねって考えてたよ。最悪の悪夢だぞ!ってみんなが言ってたしさ(笑)」とケコア。
その他にR3へ進出した主な選手は、ミック・ファニング(AUS)、タジ・バロウ(AUS)、ジェレミー・フローレス(FRA)、アドリアーノ・デ・スーザ(BRA)など。
ネクストコールは現地時間3月1日の早朝6時。コンディションが良ければ7時にはR2のH1がスタートする予定です。日本との時差は僅かプラス1時間なので、海に行かない方はライブ中継をチェックしてみては?
『Quiksilver Pro』公式サイト
http://www.quiksilverpro.com.au/Home.aspx(PC用)
photo: ASP Covered Images