『Billabong ASP World Junior Championships』終了!
2009-01-08 更新

13カ国から選出された21歳以下の選手の中でファイナリストに選ばれたのは2008年の『夢屋ビラボンプロ田原』でも3位に入って活躍していたブラジリアンのジャドソン・アンドレと日本では無名に近いハワイアンのカイ・バーガーの二人。
ノースナラビーンは左側から割れるレフトがメインブレイクで、この日は4ftサイズのクリーンなロングショルダーのグッドコンディション。両者共にグーフィーフッターのため、フロントサイドでの勝負でした。
マンオンマンのヒートで最初に飛び出したのは、8.17と5.17を続けて叩き出したジャドソンでしたが、すぐにカイが6.67と8.67を重ねて逆転。後半は一気に波数が少なくなり、再逆転に繋がるような波は入らず...。結局、カイが逃げ切る形で優勝を決めました。
「嬉し過ぎて天にも昇る気分(笑)!ダスティ(ペイン)、グランジャー(ラーセン)、ジュリアン(ウィルソン)みたいな凄いサーファー達に勝てたんだからね。あまり自信はなかったけど、『犬も歩けば棒にあたる』ってとこかな(笑)。今日はそれがオレだったのさ!」
さらに「あんな注目されたファイナルなのに、ハッキリ言って、全てのことをあまり覚えてないんだ。だから記憶は不鮮明だけど、楽しかったかな。今は良い気持ちさ。オレが優勝するなんて考えもしてなかったからね」とカイは嬉しそうに話していました。
この『Billabong ASP World Junior Championships』は過去にアンディ・アイアンズ、ジョエル・パーキンソン、ジョーディ・スミス、アドリアーノ・デ・スーザなど、現在のワールドツアーで活躍している選手達も優勝しており、未来のワールドチャンピオンを発見する意味でも、世界中のメディアが注目しているビッグイベント。彼らに肩を並べたことで、カイも大きな自信をつけたと思います。
「世界で最高のサーファー達と同じグループに入れたんだ。名誉としか言いようがないさ。とても言葉では表せないよ。それにWQSのシード権を手に入れることが出来たのは助かるね」とカイ。
まだ本格的にWQSをフォローしていないカイですが、2009年は全戦で有効なシード権を武器に暴れ回ってくれることを期待しましょう。
僅差で優勝を逃したジャドソンでしたが、このイベントで唯一のパーフェクト10をメイクするなど、その活躍ぶりは多くのギャラリーに強い印象を残しました。
「この結果に不満は無いし、ハッピーさ。もちろん勝ちたかったけど、2位でも凄いでしょ。最後の10分は波が無くなってスコアが出せなかったんだ...。今年はWQSで良い成績を残してドリームツアー入りを狙いたいね」と話していたジャドソン。
2008年はWQS22位と惜しくもクオリファイ圏内の15位には届かなかったものの、まだジュニアの枠でこの成績は立派なもの。積極的にエアーを取り入れた彼のサーフィンは最近の若いブラジリアンの中でもずば抜けて爆発力があります。これに試合運びの上手さが加わればWQSを回る他の選手にとって怖い存在になることは間違いないでしょう。
昨年の同イベントで3位に入り、優勝候補の筆頭だったカリフォルニアのガダスカス兄弟の末っ子、ターナーは、SFでジャドソンに敗れてしまい、ファイナル進出は成らず。しかし、同じく優勝を期待されていたタマロア・マッコム(PYF)を敗るなど、ノースナラビーンのレフトにフロントサイドで激しいリップを繰り返す姿はすでにジュニアの枠を越えていました。
「今年も兄貴達とWQSをフォローするよ。昨年の3位よりもベターな成績は残せなかったけど、とりあえず良いスタートを切れたね。今年でジュニアは最後。これからはもっと大きな舞台が待っているのさ」とコメントを残したターナーは、ジュニアイベントを制するよりも更に上の目標を見据えているようでした。
日本から参戦した中村昭太、大沢伸幸、関本海渡、松岡慧斗、中村光貴はR2で敗退。ウィメンズでは大村奈央がR2、橋本さゆりがR3で敗退と良い結果は残せませんでした。
photo: ASP Covered Images