ASPウィメンズワールドツアー最終戦『Billabong Pro Maui』終了!
2008-12-20 更新

すでに今年のワールドタイトルはステファニー・ギルモア(AUS・写真)に決定していましたが、このイベントは全3戦で争われるVans Triple Crownの最終戦にも重なっていたため、その栄冠をかけて激戦のファイナルデイとなりました。
この日のハイライトはSFのH1、ステファニーと今シーズン限りで引退を表明しているレイン・ビーチェリー(AUS)のカード。優勝して引退を飾りたいレインは確実にポイントを重ねていきましたが、ステファニーが8pt台を二つまとめてヒートを牽引。レインが最後にキャッチした波も7.57と逆転には及ばず、新旧のスター対戦は終結しました。
「素晴らしい引退の花道になったわ。誰だっていつかは負ける時が来るし、去る時も来る。後継者のステファニーにタッチするのが一番の道だと思うのよ」とレイン。
レインは19年間の長いキャリアで7回もワールドタイトルを獲得。まだ第一線で戦える実力を持っていますが、36歳というスポーツ選手にしては高年齢となった今、「勝負に対するハングリー精神が無くなった」という理由で引退を決意。ステファニーという実力とスター性が伴う選手が出現したのも大きなきっかけになったそうです。
「リタイアの決断は難しかったわ」とレイン。さらに「確かに優勝して引退を飾りたかった。でも、この数年を振り返ると私のキャリアにふさわしくなかったと感じるの。今まで素晴らしい旅をして7回もタイトルを獲得出来た。ガールズ達にウィメンズのプロフェッショナルサーフィンを受け継げたのは良かった部分ね。フルタイムの参加は今年で最後だけど、来年も数イベントは顔を出すつもりよ」と話していました。
SFでレインを下したステファニーはファイナルでも好調さをキープ。対戦相手のメラニー・バーテルス(HAW)も一時はリードを奪いますが、ステファニーがパーフェクトに近い9.57をスコアしてメラニーを大きく引き離し、そのまま優勝!
「潮が動いて良いコンディションになったわね。最高に楽しかった!メル(バーテルス)は強敵の一人。戦う時は限界ギリギリまでプッシュしないと。中途半端ではやられちゃうわ。彼女が良い波を手に入れたのを見たから次の波は全開よ!(笑)それが上手くいったみたい」とステファニー。
全8戦中の5勝目を決めたステファニーは、昨年手に入れられなかったトリプルクラウンの栄冠も獲得し、まさに最強のウィメンズサーファーの座をレインから譲り受けた形になりました。
「トリプルクラウンで優勝出来たなんて超嬉しい!ハレイワは本当に楽しい波だったし、次のサンセットは素晴らしいサーフィンが出来た。初日のホノルアベイも見事な波だったわね。そんなバラエティ豊かなハワイの波で評価を得たなんて、とても光栄よ」と笑顔でコメント。
まだ20歳のステファニーはルーキーイヤーの昨年にワールドタイトルを獲得。ワイルドカードで出場していた時の優勝を含めるとすでに11勝という圧倒的な成績でウィメンズのワールドツアーを引っ張っています。
来年からツアー入りするサリー・フィッツギボンズ(AUS)や、メンズのイベントにも参加している16歳のカリッサ・ムーア(HAW)、今年のオーストラリア・マンリー戦で優勝した14歳のタイラー・ライトなどの自分より年下の選手と共に今後もウィメンズのレベルを上昇させていくことでしょう。
最後にステファニーは「こんな短いキャリアの間に沢山の優勝を上げられたことは自分でも信じられない!最高の気分だけど、私はもっとやるべきことがあるの。今日、レイン(ビーチェリー)とのヒートがあったんだけど、彼女のとてつもないキャリアを前にすると更にハングリーになれるし、それがベストな結果をもたらしてくれるのよ。来年は驚くべきシーズンになるわ。今年の才能豊かなメンバーに加えて若いガールズ達がサーフィンのレベルをもっと上げてくれるだろうからね。今から楽しみでしょうがない!」と話していました。
■『Billabong Pro Maui』結果
1位 ステファニー・ギルモア(AUS)
2位 メラニー・バーテルス(HAW)
3位 レイン・ビーチェリー(AUS)、シルヴァナ・リマ(BRA)
5位 ロザンヌ・ホッジ(ZAF)、レベッカ・ウッズ(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、メーガン・アブボ(HAW)
photo: ASP Covered Images