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『Billabong Pipeline Masters』終了!

2008-12-14 更新
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現地時間12月9日にスタートした『Billabong Pipeline Masters』はケリー・スレーター(USA)が考案した「デュアルフォーマット」を使用したため、通常よりも早くスケジュールが進行。
ストームによって中断された中一日を挟み、12日(日本時間13日)にはファイナルまでの日程を終了し、今シーズン最後のビッグイベントの勝者が決定しました!

見所満載だったファイナルデイ。まず始めにビーチに集まった多くのギャラリーの心を全て奪ってしまったのは、2008年のワールドチャンピオン、ケリー・スレーターでしょう。
QFでジェイミー・オブライエン(HAW)を大差で下したケリーは、SFでティム・レイズ(USA)と対戦。序盤からリードを握っていたのはティムの方で、9.10を含むトータル15.6でケリーをコンビネーションスコアに追い込みます。しかし、ここで終わらないのがケリーの強さ。パイプラインの深いバレルを抜けて9.00をスコアすると立て続けにビハインドピークからバックドアにテイクオフ、完璧に姿を消してから凄いスピードで飛び出てくるとギャラリーは大騒ぎ!アナウンスされたスコアはパーフェクト10!僅か3分ほどの間にまさかの大逆転劇を演じたのです。

もう一方で快進撃を続けてきたクリス・ワード(USA)は波が途切れてしまったQFでアンディ・アイアンズ(HAW)を僅差で抑えるとSFではツアーの伏兵、エースことエイドリアン・バッカン(AUS)を相手に9.63を含むトータル16.46をスコアし、ヒートが終了する前にビーチに上がってしまうという余裕を見せてファイナルへ進出を決めます。

注目のファイナルは波数が少なく、両選手共にスロースタートの中、ケリーが少し小さめのバックドアを綺麗にメイクし、7.17で有利な展開に持っていきます。クリスは短めのバレルしか見つけられず、3pt台とスコアも延びず...。残り時間5分。この日スコアが出やすかったバックドアに狙いを絞ったケリーは6.83のバックアップスコアを重ね、クリスをコンビネーションスコアに追い込んで優勝!

「ストークしているよ!このイベントではサーフィンについて悩むこともなく、優勝してボード(ジェリー・ロペスがデザインしたサーフボード型のスペシャルトロフィー)もゲット出来たんだからね。絶対大切にするさ!」とケリー。
さらに「ファイナルの波はオレ達を興奮させるほどではなくて、ちょっと期待外れだった。観客の前でショーをするためにここにいるんだから、派手なワイプアウトとか、何かするべきだったね(笑)ファイナルは波数が少なかった。でも、オレはその中で良い波を選べたんだ。そろそろワードも結果を出す時期だと思うよ。世界でも指折りのベストバレルライダーなんだからさ」と話していました。

御存知の通り、ケリーはすでに今シーズン9回目のワールドタイトルを手に入れていますが、歴史あるパイプラインマスターズのイベントでは17回出場した内、10回もファイナルに進出し、今回を含めると6回も優勝。最後に優勝したのは1999年ということで、9年振りの栄光でした。
ちなみにケリーが使用していたボードは5.11。他の選手達のボードも以前と比べると短くはなっていますが、ケリーのボードは異常とも言える短さ。ファイナルデイで戦った全4ヒートのスコアを順番に並べると全て他の選手達を大幅に上回る「19.40、18.63、19.00、14.00」
こうして数字を並べただけでもケリーの凄さが理解して頂けると思います。

2005年からワールドツアーを回っているクリス・ワードは自身2度目となるファイナルで惜しくも優勝を逃しましたが、リクオリファイのギリギリラインだった27位から14位にレイティングを上げて次のチャンスに繋ぐことが出来ました。
「もちろん優勝したかったけど、ケリーが良い波を全部持ってちゃったからね。まあ、昨年より良い成績だったからOKかな。ファイナルは難しかった。序盤に数本の波をミスったと思うし...。でも、満足だし、ハッピーさ!」とクリス。

僅差ながら今年のトリプルクラウンの栄冠を手に入れたのは、今イベントで9位。第1戦のハレイワと第2戦のサンセットで5位に入ったパーコことジョエル・パーキンソン(AUS)でした。
「トリプルクラウンで2位になったことは2回あるんだけどね。両方共、アンディにやられたんだ。別にワードに対して何かあるわけじゃないけど、今回だけは同じ思いをしたくなかった。今年は達成出来て最高の気分さ」と独特の”パーコスマイル”で表彰台でのインタビューに答えていました。

■『Billabong Pipeline Masters』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 クリス・ワード(USA)
3位 エイドリアン・バッカン(AUS)、ティム・レイズ(USA)
5位 ルーク・ステッドマン(AUS)、ジェイミー・オブライエン(HAW)、カマレイ・アレキサンダー(HAW)、アンディ・アイアンズ(HAW)

photo: ASP Covered Images