『Billabong Pro』ファイナルデイは素晴らしい戦いに!
2008-10-05 更新

「もし、オレがジョエルの立場なら、オレのことを殺しかねないね(笑)」とC.J。
実は2004年に千葉・部原で開催されたイベントでも、C.Jとパーコはファイナルで対決。パーコが終了間際までリードを握っていましたが、最後にC.Jが9pt台をメイクして大逆転に成功!
今回のスペイン戦でも同じシチュエーションでC.Jが勝利を収めたのです。
「正直、何が起こったか分からなかったけど、何かの運命を感じるよ。今年は非常に苦しい年を送っている。もっと必死にならないとダメなのかも知れないけど、これも人生だからね。年齢を重ねると人生はカーブボールを投げることだってある。今日はそれを上手く乗り越えて良い気分さ(笑)」とC.Jは続けて話していました。
グーフィーフッターのC.Jは、双子のダミアンと共に速いレフトの波を得意中の得意としています。その代表格と言えるタヒチ、タバルアに比べるとスペインはフルスーツが必要な寒さの中での戦いでしたが、ツアーのベテランC.Jにとっては波が良ければ問題無し。他の誰よりもムンダカの波にベストマッチしていた印象でした。
C.Jは2004年のタヒチ戦以来、4年振りの優勝で総合レイティングを8位から6位にアップさせ、次のブラジル戦に挑みます。
笑顔が耐えないC.Jに対して、ギリギリのところで勝利を逃したパーコは苦笑いさえ中々出ないほど...。
「本当に悔しい!」とまず一言。さらに「彼がベストウェーブに乗って、オレは残った変な波ばかり...。僅かに保っていたリードも、すぐに去ってしまったのさ。オレが最後の波を振り返って見ている隙にね」と肩を落としながらコメント。
リードを広げるためにファイナル終了間際に入ったセットの一本目を乗ったパーコでしたが、それはハイスコアには繋がらず、そのすぐ後の二本目をキャッチしたC.Jがコンパクトなバレルをメイクして逆転に必要だった5.90を上回る8.57をスコア。そのライディングを振り返って見ていたパーコの心境は天国から一気に地獄に落とされたのに等しいでしょう。
昨年は大親友のミックの快進撃を見届け、今年こそは自らがワールドタイトルを獲得するんだと意気込んでいたパーコでしたが、いざシーズンが始まるとケリーのワンマンレースのような形となり、まだ1勝さえも上げられない状況。
「1勝が欲しい!トライはしているんだけど、しばらく勝ってないね」2006年のフランス戦以来、勝ち星がないパーコの願いは、残されたブラジル、ハワイで叶うのでしょうか?
C.Jとパーコのファイナルが最高に盛り上がったため、ファイナルデイに行なわれたQFとSFは印象が薄くなってしまいましたが、ここでもいくつかの面白いヒートが繰り広げられていました。
その中でもSFのパーコとエースことエイドリアン・バッカン(AUS)のカードは、ファイナルに並ぶ名勝負でした。
「3位でもハッピー!ヨーロッパレッグ最高!(笑)そりゃあ、再び表彰台に上がるなら1位か2位が良かったけどさ。トラッセルズでは上手くやりたかったから、33位になった時は落胆した。でも、ヨーロッパレッグに全力を注いだおかげで良い結果が出たね」とエース。
エースは前戦のフランスで9Xが掛かっていたケリーを抑え、ツアー初優勝を上げたばかり。2連勝には届きませんでしたが、フランスでのビーチブレイクに続き、スペインではリーフブレイクでも通用することを証明。その戦い振りも安定しており、トップシードの選手さえも脅かすほど。総合レイティングも9位から7位にアップさせています。
ケリーの9Xが確定し、残るイベントはあと2戦。次はブラジルのサンタカタリーナで開催される「Hang Loose Santa Catarina Pro』10月28日~11月5日に行なわれます。
第9戦『Billabong Pro』結果
1位 C.J・ホブグッド(USA)
2位 ジョエル・パーキンソン(AUS)
3位 エイドリアン・バッカン(AUS)、ルーク・ステッドマン (AUS)
5位 エイドリアーノ ・デ・ スーザ(BRA)、トム・ウィタカー(AUS)、タジ・バロウ(AUS)、ビード・ダービッジ (AUS)
photo: ASP Covered Images