『Billabong Pro』はR4へ!ケリー9Xを決めた後は?
2008-10-04 更新

この日の一番の注目は、なんと言ってもケリーでしょう。今シーズン5勝を上げてダントツでポイントを稼いでいるケリーは、今イベントのR3を勝てば9回目のワールドタイトル、9Xが確定するのです。
R3のケリーの対戦相手はワイルドカードで出場権を得たローカルのアネコ・エセロ。ムンダカの波を知り尽くしているアネコとは言え、この日は4-6ftの十分なサイズながらオフショアが強過ぎで難しいコンディション。僅か2本しか波をキャッチ出来なかったアネコに対してケリーは攻めのサーフィンで波に乗りまくり、7.83と5.83をスコア。あっさりと勝利を決め、自身の記録を塗り替える前人未到の9Xを達成しました!
ヒートを終えて海から上がったケリーはすぐにカメラマンに囲まれ、インタビューが始まりました。まず初めにケリーは家族や友人、恋人に感謝を告げ、デーンやジョーディなどの新しい顔が加わった2008年シーズンに対してや、今後の展望などの話をしていました。1991年にルーキーとしてツアー入りしたケリーは、早くも翌年にワールドタイトルを獲得。1994年から5年連続でタイトルを決めた黄金時代の後は4年間のインターバルを置きますが、復帰後はアンディ・アイアンズ(HAW)と良いライバル関係となり、再びツアーを盛り上げます。36歳とスポーツ選手としては引退を考えても良い年齢のケリー。「10Xは狙うのか?」という問いには、言葉を濁していました。
9Xを確定してそのまま有終の美を飾りたかったケリーですが、次のR4では今までの運が全て対戦相手に渡ってしまったようです。トム・ウィタカー(AUS)がパーフェクト10を決め、8.00を含めた18.00でケリーに圧勝!
「あそこから見ていてくれただろう”母なる海”に感謝するよ。あれは驚異的な波だったね。オレはただラインに沿って乗っただけで、本当に何もしなかった。真のムンダカの姿だったよ」とトム。
10月4日に29歳の誕生日を迎えるトム。”母なる海”が一日早いプレゼントを与えてくれたのかも知れません。
9Xを決めた後のケリーを敗った感想は、「何を言うんだよ!彼は世界のベストサーファーで、オレが見てないのを含めて9回もタイトルを決めているんだぜ」さらに「今日はケリーの日さ。9回目(ワールドタイトル)を決めた彼と一緒に戦えただけでも幸せだよ」と話していました。
ツアー6年目となるトムの最高成績は2006年の6位。2007年は13位でフィニッシュしていますが、2008年第8戦までのレイティングは27位。リクオリファイ出来るギリギリのラインに立っているため、ケリーを抑えた勢いで少しでも良い成績を上げたいところでしょう。今シーズン初のQF進出を決めたトムは、フランスで優勝したエースことエイドリアン・バッカン(AUS) と戦います。
ケリーが9Xを確定した今、2位争いで最も有利な位置にいるのはタジ・バロウ(AUS)ですが、まだ今シーズンは1勝も上げていなく、本人もそれだけは悔いが残っている様子。
その証拠にケリー優勢のまま後半戦に突入してからのタジは、「今年はケリーで決まりだけど、1勝だけは上げたい」と繰り返し何度もインタビューに答えています。
さすがのタジもこの日のムンダカの波には少々手こずっていましたが、R3でティム・レイズ(USA)、R4でテイラー・ノックス(USA)を下し、今シーズン初の1勝に近づいています。
ヒート終了後のインタビューでは、「彼がここで決めてしまうことは分かっていたさ」とまずはケリーの9Xに対して一言。さらに「今シーズンの彼はあんなに沢山優勝しているのに、もっと早く決まらなかったことが驚きさ。とりあえず、R4で彼が負けたのは嬉しいね。このイベントは優勝を目指すよ」とコメント。
なお、2年連続でムンダカを制していたボビー・マルティネス(USA)は、R4でルーク・ステッドマン(AUS)に破れ、3連覇の夢は消えてしまいました。
ネクストコールは現地時間10月4日の午前9時(日本時間4日の午後4時) ゴーサインが出ればファイナルまで進行してしまう可能性が高いので、お見逃しのないように!
『Billabong Pro公式サイト』
http://www.billabongpro.com/mundaka08/(PC用)
photo: ASP Covered Images