『Quiksilver Pro』終了!ケリー9Xの行方は?
2008-09-26 更新

7戦中5勝を上げているケリー・スレーター(USA)が9回目のワールドタイトルを確定出来るかどうかに注目が集まっていた今イベント。それを阻止出来るパーコ、ミック、ビードが早々と敗退し、残る一人のタジもR4でルーキーのデーン・レイノルズにノックアウト!あとはケリー自身が優勝を決めれば9X確定でしたが、ファイナルでは僅か0.58ptが足りず、エースことエイドリアン・バッカン(AUS・写真)に優勝を譲ってしまいました。
「ホント信じられない気分!もう何も言うことは無いさ。あのケリーにファイナルで勝てたんだからね。オレにとってケリーはヒーローだし、今年5勝を上げる場面も見てきた。彼は驚異的なサーフィンでオレ達のレベルをより高く上げてくれているんだ。サーフィン界の偉人に感謝したいね」と満面の笑顔で表彰台でのインタビューに答えたエース。
ワールドツアー3年目のエースは、ルーキーイヤーこそ怪我で44位に終わりましたが、2年目には19位、そして、今回の優勝で得たポイントで9位になり、着実にレイティングを上げています。
ファイナルデイのエースの全てのヒートを振り返ると、R4、QF、SF、どれも安定した強さを見せており、意外に早い段階でタイトルレースに絡んでくる選手に成長すると予感させるものがありました。
ツアー入りしてから初めてのファイナル、それも対戦相手は9Xを目の前にしたケリーという2重のプレッシャーにも負けず、『Quiksilver Pro』の栄冠を手にしたエース。
「ファイナルではなるべく考えないようにパドルアウトしたんだ。ケリーが優勝すればワールドタイトル確定というビジョンはあったけど、ただ自分が何をすれば良いのかだけに集中した。オレは良い波を2本乗れて、ラッキーなことにケリーには最後の一本が来なかったのさ」と話していました。
あと一歩のところでフランスでの9X確定を逃してしまったケリー。ホセゴーの不安定な波に見離された形となり、カリフォルニア戦でタジを相手に見せたような逆転劇は起こりませんでした。
「結局、波が来なかったけど、また楽しみが残ったから良いんじゃない。正直、エースの方がオレよりも波と合っていたと思うよ。オープンフェイスでのターンが決まっていたし。オレも一本だけ良いライディングをしてイケる!と考えたんだけど、最後のチャンスを手に入れるには時間不足だった。ファイナルは40分でやりたいと強く要望するべきだったね」とケリー。
現在のASPワールドツアーは選手達の意見も積極的に取り入れるため、条件次第ではヒート時間の延長を提案することも可能。事実、前戦のカリフォルニア戦では35分ヒートをケリーの意向で40分ヒートに変更し、その5分がケリーに勝利をもたらしたのです。
フランスで9Xを確定出来なかったケリーですが、来週から始まるスペイン戦では更に条件がやさしくなり、ケリーが9位以上、つまり、R3を勝った時点でワールドタイトルが決定。
もし、R2,R3で負けたとしても、ミックかタジが優勝出来なければワールドタイトルが決定することになります。
今回のフランス戦を振り返ると、優勝したエースを初め、R4でフリーサーフィンの延長とも言えるリスキーながらギャラリーを熱狂させる素晴らしいライディングでタジを完璧に抑えたデーン、SFでケリーと接戦を演じたエイドリアーノなど、次の世代が着々と実力を上げてきていることを感じました。
ここ数年のツアーを見ると上位はほとんど変わらないメンバーですが、近い将来、新しいサーファー達に入れ替わることも十分に考えられるでしょう。
次のイベントは9月29日~10月12日の期間に開催される『Billabong Pro』 ウネリと風が決まれば世界で3本の指に入る長いレフトが炸裂するスペインのムンダカで行なわれます。
第8戦『Quiksilver Pro』結果
1位 エイドリアン・バッカン(AUS)
2位 ケリー・スレーター(USA)
3位 エイドリアーノ ・デ・ スーザ(BRA)、ダミアン・ホブグッド(USA)
5位 ボビー・マルティネス(USA)、ミック・キャンベル(AUS)、デーン・レイノルズ(USA)、ミシェル・ボウレズ(PYF)
http://www.quiksilverlive.com/(PC用)
photo: ASP Covered Images