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ASPワールドツアー第7戦『Boost Mobile Pro』ファイナル詳細!

2008-09-12 更新
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全11戦で争われるASPワールドツアーの後半戦は例年通り、カリフォルニアのローワー・トラッセルズでスタート。現地時間9月8日からR1が始まった『Boost Mobile Pro presented by Hurley』は、4日間で全ての日程を終了し、11日(日本時間の12日早朝)にタイトルが決定!

ファイナルはイベント期間中で一番波が小さく、SFくらいから吹き始めてきたオンショアの影響が入ったトロ速い波でしたが、玉石の上で割れるトラッセルズの波は「マシンウェーブ」や、「スケートボードパーク」という表現がピッタリの規則正しさをキープし、ハイパフォーマンスが続出!

まず調子良く飛び出したのはタジの方で、早々と9pt台を二つまとめてケリーをコンビネーションスコアに。しかし、ケリーはすぐに9.70と8.37を続けて叩き出し、逆転勝利への可能性を高めます。この時点でケリーが優勝に必要なスコアは8.93。残り時間は10分。焦るケリーはショートライドを繰り返してポイントが延びませんが、ラスト2分に乗った波でビーチ全体に大きな歓声を響かせるような爆発的なライディングを披露し、ケリーは思わずガッツポーズ!アナウンスされたスコアは9.27!
2年連続で『Boost Mobile Pro』のタイトルを獲得したケリーは、これで今シーズン5勝目。

もう、誰にも止められない凄まじい勢いで前人未到の9Xをほぼ手中に収めたケリーは、「タジに抑えられてたから、面目(メンツ)を保ちたかったのさ。とにかく、今日の奴は凄かったよ」とまずは一言。さらに「コンボスコアから抜け出してギャラリーに良いショーを見せたかったんだ。9.70の波は小さかったけど、クリーンでスピードも出しやすく、ビッグカービングもしやすかった。あれでコンボからも抜け出せたしね」とコメント。

優勝賞金の30,000USドルの他にセカンドスポンサーのHurleyから45,000USドル、合計75,000USドル(日本円で約800万円!)を手にしたケリーは、表彰台でも終始笑顔を絶やしませんでした。

優先権を持っているのにも関わらず、ラスト2分でケリーに波を譲ってしまったタジは、ファイナルが始まる前にもう一つのミスチョイスをしています。オンショアで波が多少崩れていたことや、波数やギャラリーのことなどを考慮して、ケリーはファイナルを通常の35分ヒートから40分ヒートにすることを提案。タジは35分ヒートを望んでいたのですが、結局コンテストディレクターとの協議の末、40分に変更。タジがもっと反対してプラス5分が無ければ、結末は違っていたのかも...。
「てっきり優勝出来ると思ってたのに...。あの波でスコアが延びるとは思えなかったから、ケリーに譲ったんだ。ケリーの大きなエネルギーが波を良くさせたのかもね。だって、なんと言ってもケリーだもの(笑)。彼が乗る姿を見てグッドスコアが出るなと分かったよ。オレはこれ以上無いくらいのことをやったつもりさ。ベストウェーブをキャッチして出来る限りのサーフィンをした。残念だけど、彼は最後まで相当ハングリーだったみたいだね」とタジは苦笑いしながらファイナルを振り返りました。

今回の2位でタジはレイティングを4位から2位に上げましたが、「すでにケリーを追い越すことが難しいって知っているから、レイティングのことはあまり気にしてない。オレはこのイベントで勝ちたかっただけ。そう出来ると思ったけど、ダメだった...。とても悔しいよ」とコメント。

7戦中、5勝という驚異的な強さを見せているケリーの9Xはほぼ確実。限りなく100%に近いのですが、ASPが公表した条件では、まだ5位までの選手にワールドタイトル獲得の可能性が残されています。もし、次のフランス戦でケリーが優勝した場合。タジが3位以内か、ビード、ミックがファイナルまで進むとケリーの9Xはその次のスペイン戦まで持ち越しに。ケリーが2位以下になった場合は、パーコにもワールドタイトルの可能性が残されることになります。

最後に。今回会場となったトラッセルズが有料道路の計画によって、危機に立たされているのを御存知でしょうか?ポイント消滅だけで無く、海の生態系にも影響を与える恐れがあるため、サーファーを中心に反対運動が行なわれています。結論が出るのは来年2009年の1月の予定。詳細は公式サイトで!
http://savetrestles.com/index.htm(PC用)

第7戦『Boost Mobile Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 タジ・バロウ(AUS)
3位 ビード・ダービッジ(AUS)、ジェレミー・フローレス(FRA)
5位 デーン・レイノルズ(USA)、ボビー・マルティネス(USA)、ミック・ファニング(AUS)、ヘイター・アルヴェス(BRA)

photo: ASP Covered Images