『Rip Curl Pro Search』優勝を手にしたのは?
2008-08-04 更新

夕暮れの幻想的な景色をバックに行なわれたファイナル。ラインナップに並んだ二人はカウアイ島出身のブルース・アイアンズとオアフ島出身のフレッド・パターチア。二人はケリーのパーフェクト10に続くベストスコアを叩き出しており、ヒートスコアに関しては両者共にケリーを上回るほどの好調さでここまで勝ち上がってきました。
ファイナルは後半まで抜きつ抜かれつの展開。フレッドはビッグターンをメイクする割にハイスコアに結び付く長いバレルを見つけられず、5pt台止まり。ブルースも一本目の6.00に続くバックアップスコアが見つけられず、時間だけが過ぎていきます。流れが変わったのは、ラスト10分。ブルースが立て続けにセットをキャッチし、8.33と9.33のハイスコアでフレッドを一気にコンビネーションスコアに追い込みます!
特に9.33のライディングは素晴らしく、テイクオフからバレルイン、そしてブルース独特のリラックスしたターンの後に禁断のライト方向にマニューバーを仕掛けてロングライドとジャッジによっては10ポイントを出すほどでした。潔く諦めたフレッドはブルースが乗った波にドロップイン。二人はインサイドでハイタッチを決めてこのイベントの最後を気持ち良く締めてくれました。
「クオリファイしてからの一つのゴールが一勝を上げることだったんだ。今シーズン限りで引退を決意してたから、難しいと思ってたんだけどね。」とブルース。さらに「このイベントの波は最高だった!ドリームツアーはこうじゃなきゃね!ツアーからは去るけど、チョープーやパイプライン、他にもエントリー出来るイベントには参加するつもりさ。」とコメント。
2004年にツアーの一員となったブルースは、ルーキーオブザイヤーを獲得し、その年に行なわれたワイメアの『The Eddie』で優勝。また、クオリファイする前の2001年にはワイルドカードで出場した『XBOX Gerry Lopez Pipeline Masters』でケリーを倒して勝利を手にしたことがあります。
しかし、クオリファイしてから4年目となる今シーズンまでにポイントに関係ある優勝の経験はなく、トータルでも2005年の9位が最高と兄のアンディと比べてコンテストに弱いと周囲から批評されていました。
本人のコメント通り、今シーズン限りでツアーを離れると発表していますが、フリーサーフィンではアンディを凌ぐスタイルを持つと評判のブルース。来シーズンからはスポット参戦の他にサーフムービーや雑誌などでファンを楽しませてくれることでしょう。
一方、あと一歩でワールドツアーでの初優勝を逃したフレッドは、ファイナル終了後のインタビューで「オレとブルースは大親友だけど、ファイナルは真剣勝負。二人とも優勝したいから、絡んだり、変な言葉をかけたり、何でもしたよ(笑)。最初に波に乗ったのはオレだったけど、ブルースは最後に最高の波を2本手に入れたね。まるで狙ってたかのようにさ。」と話していました。
今シーズンの前半は怪我に悩まされて思うような成績を残せなかったフレッドですが、フィジーとJ-bayで9位に入り、今回の2位でトータルレイティングを14位にアップさせています。
「スタートに出遅れたから巻き返すことが出来て嬉しい。このイベントで優勝は出来なかったけど、調子は良かったし、最高の波だった。引退する前にブルースが勝てたし、同じハワイアンがタイトルをキープ出来たんだからハッピーさ。」とフレッド。
『Rip Curl Pro Search』のタイトルは2006年(メキシコ)と2007年(チリ)をアンディが獲得しているため、今回のブルースの優勝で3年連続ハワイアンがトロフィーを持ち帰ることになります。
次の第7戦は約1ヶ月の休暇を置いて9月7日~13日にカリフォルニア・トラッセルズで開催される『Boost Mobile Pro presented by Hurley』
第6戦『Rip Curl Pro Search』結果
1位 ブルース・アイアンズ(HAW)
2位 フレッド・パターチア(HAW)
3位 ティアゴ・ピレス(PRT)、クリス・ワード(USA)
5位 カイ・オットン(AUS)、キーラン・ぺロウ(AUS) 、ベン・ダン(AUS)、タジ・バロウ(AUS)
photo: ASP Covered Images