『Rip Curl Pro Search』R3は大番狂わせの展開に!
2008-08-03 更新

コンテスト開始4日目にして早くもラスト16人に絞られてきました。
ASPワールドツアーの現在の上位、ジョエル・パーキンソン(AUS)、ビード・ダービッジ(AUS)、ボビー・マルティネス(USA)らが順当に勝ち上がる中、ヒート8に登場したケリー・スレーターもルーキーのティアゴ・ピレス(PRT・写真)を相手に誰もが勝利することを予想していました。
序盤から8pt台と7pt台をまとめて早々とティアゴをコンビネーションスコアに追い込んだケリー。勝利の予想が確信へと変わり始めてきた終盤にドラマが起こります。まずはラスト5分。ティアゴが長いバレルを抜けて9.17のハイスコアをメイク。この時点でティアゴが逆転に必要なスコアは7.16。残り時間や、ケリーが優先権を持っていることを考えるとまだケリー優勢の形でしたが、バリ島の波の神様は最後に勝負を左右するセットを両者に送り込みます。最初にセットを掴んだのは優先権を持つケリー。しかし、これは先が続かず3.67のロースコア止まり。そして、次の波をキャッチしたティアゴが8.40を叩き出し、見事逆転に成功!
ワールドツアーにデビューしてから初めてR3通過を果たしたティアゴは「オレがバレルの中から弾き出てきた時、みんな大きな声で叫んでたんだ!今までのキャリアの中で最もビッグな勝利だね。この素晴らしいコンディションでケリーに勝てるなんて、WQSで優勝するよりも嬉しいよ!」と興奮気味にコメント。
2008年シーズンですでに終わっている5戦の内4勝を決めているケリー。一つだけ獲れなかったタヒチでの1戦でケリーを倒したのは、ワイルドカードだったため、ティアゴはワールドツアーの45人のメンバーの中で今年初めてケリーを抑えたことになります。
「海から上がって洞くつを抜けて皆の元に戻っている途中、もしかしたらオレ優勝?くらいの気分だった(笑)だって、沢山のギャラリーや選手達がオレに向かって大きな歓声や口笛を鳴らしてたんだよ。それは最高の気分だったさ。今年は誰もケリーを倒せなかったから、大きな仕事をやり遂げたってところ。ハードなトレーニングもしているし、更に上を目指したいね。」とティアゴ。
ジョーディ・スミス(ZAF)とデーン・レイノルズ(USA)だけが注目のルーキーとして紹介される2008年シーズン。ここ数年で一気に実力を上げているヨーロッパ勢の一員として今後のティアゴの活躍を見守っていきましょう。
一方、敗れたケリーの方は「最初の波を乗るべきではないってことは知っていたさ。」さらに「まずはティアゴに”おめでとう”と言いたい。彼は良いサーフィンをしていたし、過小評価もしない。世界のベストバレルライダーさ。あんなことになる前はオレの頭の中に良くあるシチュエーションだった。まあ、コンテストでは良くあることさ。今回みたいなことはね。実はイベント前に今年の良い運はここら辺で終わるんじゃないか?と予想はしていたんだ。」とコメント。
このイベントで17位に終わったケリーですが、ASPワールドツアーのルールでは、全11戦の内の2戦をカウントせずにトータルを決めるため、すでに上げている4勝が大きなアドバンテージになることは変わりありません。それも次に控えているカリフォルニアのローワーズはケリーが得意とするポイントの一つで、2007年と2005年のタイトルホルダー。ケリー自身も「ローワーズはオレのバックヤードみたいな場所だし、相性が良いんだ。」と話しているほど。その後のヨーロッパレッグでもフランスを中心に過去数勝を上げており、他の選手にとって全く隙がありません。
その他にR4へコマを進めた主な選手は、ミック・ファニング(AUS)、ブルース&アンディのアイアンズ兄弟(HAW)、タジ・バロウ(AUS)、クリス・ワード(USA)など。
ネクストコールは現地時間8月3日の早朝6時30分。ノンストップでファイナルまで進む可能性が高いので、お見逃しの無いように!
『Rip Curl Pro Search』公式サイト
http://live.ripcurl.com/index.php?home(PC用)
photo: ASP Covered Images