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『Billabong Pro』を制したのはまたしてもあの男だ!

2008-07-18 更新
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南アフリカの「J-bay」で行なわれていたASPワールドツアー第5戦『Billabong Pro』は現地時間7月17日にファイナルまでの全ての日程を終了。
ファイナルデイは早朝こそクラシックな「J-Bay」でパーフェクトそのものでしたが、QFが始まった午前10時頃からは徐々にオンショアに変わってしまい、ファイナルにかけてコンディションは悪化傾向。

その中でファイナリストに選ばれたのは、フィジーまでの4戦中で3勝を上げているケリー・スレーター(USA)と昨年のワールドチャンピオン、ミック・ファニング(AUS)の二人。世界のトップに立つ両者にとって、波の悪さは言い訳にならないという証拠でしょう。特にケリーはSFでのジョエル・パーキンソン(AUS)との対戦以外、全く危なげない勝ち上がり方を続け、ミックとのファイナルもコンビネーションスコアの圧勝。ミックがコブだらけのフェイスに苦戦して4pt台を出すのが限界の中、ケリーは8pt台を2つまとめ、文句無しの今シーズン4勝目を決めました。
「波が急激に変わり、考え方も変える必要があったんだ。今までは30~45秒も乗れる波だったから、6~8回の技を入れてハイスコアが出たけど、今日の波なら僅か3回の技でスコアを延ばすことが出来た。その認識を変えるのは難しいよね。オレだってそれに気付いたのがヒートの後半さ。」とケリーはファイナルでの戦いを冷静にコメント。

ケリーが「J-bay」でのイベントを制するのはこれで4回目。そして、トータルでは自らの記録を塗り替える38勝目を上げ、もう一つの記録である9回目のワールドタイトル獲得に向けてまた一歩前進。
「この時期にこれだけの優勝を上げた経験は初めてだし、正直あまり実感が無いんだよね。オレの人生の中の頂点だと思って嬉しく受け止めるつもりさ。」とケリー。

5戦を終了した時点で2位のジョエル・パーキンソン(AUS)との差は1262pt。残る6戦の内、ケリー以外の選手が最低でも4勝を上げないとケリーのワールドタイトル獲得は確実。もし、4勝を上げた選手がいたとしても、この先のケリーによっぽどのミスがない限り、トップの座から引きずり下ろすのは難しい話。オッキーが引退した今シーズン、テイラー・ノックス(USA)の次に最年長のケリーは36歳。ワールドツアーで得た14年の経験と未だ進化している超人的なサーフィンを武器に新たな記録を打ち立ててくれるのでしょうか?

一方、第1戦のゴールドコースト以来の対戦となったファイナルで、ケリーに完璧に抑えられてしまったミック・ファニング(AUS)は、「ファイナルは本当にイケてなかったよね。優勝出来る可能性はあったのに、意味不明のワイプアウトを連発しちゃったんだ...。調子が良かっただけに、ショックは大きいよ。」とコメント。

今シーズンのミックは、総合成績で見ればこの1戦を終了した時点で4位。2位を2回に5位を2回とタヒチ戦での33位を除けば決して悪くないものの、今年はケリーの強さが際立ってしまい、今一つ影が薄くなっています。
「勝負は最後まで分からない。でも、例えばエベレストの頂上を目指すのにケリーは一番キツい5合目をすでに越えている感じかな。」とミック。
2007年のワールドチャンピオンとして残りシーズンを華々しく盛り上げてくれることに期待しましょう。

なお、次の第6戦『Rip Curl Pro Search』の正式な開催場所は発表されていませんが、当初予定されていたウェスタンオーストラリアからインドネシアのバリ島に変更される可能性が濃厚なようです。毎年素晴らしい波を私達に紹介してくれるこのイベントは7月30~8月10日に行なわれます!

第5戦『Billabong Pro』 結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ミック・ファニング(AUS)
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS)、タジ・バロウ(AUS)
5位 ビード・ダービッジ(AUS)、エイドリアーノ ・デ・ スーザ(BRA)、CJ・ホブグッド(USA)、アンディ・アイアンズ(HAW)

photo: ASP Covered Images