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『Rip Curl Pro』ファイナルを制したのはあの男だ!

2008-03-28 更新
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イースターホリデーに合わせて開幕したオーストラリア・ベルズでの伝統的なイベント『Rip Curl Pro』は、現地時間3月27日にファイナルデイを迎え、TOP45の頂点が決定!

3-5ftの南西風の影響が入ったバンピーな難しいコンディションの中、ケリー・スレーター(USA)がビード・ダービッジ(AUS)を抑え、第1戦のゴールドコーストに続いて2連勝。
ASPワールドツアーにおいて36回目の優勝を決めました。
「最高の気分!本当に嬉しいよ!このベルズでのトロフィーはサーフィンで獲得出来る最高のもの。すでに2つ持っているけど、3つめのチャンスをものにした気分は本当に素晴らしい!これでベストフレンドのサニーの3つ獲得に並んだね。MR(マーク・リチャーズ)やMP(マイケル・ピーターソン)は4つか、5つだっけかな。クレイジーだね(笑)」と表彰台でのインタビューで話していました。

1973年から始まったこのイベントのトロフィーには、MRやMPを初め、サイモン・アンダーソン、トム・キャロル、ダミアン・ハードマン、マーティン・ポッター、トム・カレン、サニー・ガルシア、オッキーなど、歴代の優勝者の名が刻まれており、上部に付いている大きなベルが存在感をより大きなものにしています。
表彰台ではそのトロフィーを高々と上げ、ベルを鳴らすのが習わしであり、ツアー選手達の憧れ。
中には「もし、あのトロフィーを手に入れたら家のどこからでも見えるようにリフォームするよ!」というコメントを残した選手もいるほど、トロフィーの価値は高いのです。

さて、この日のケリーのヒートを振り返ってみると、まずQFでのアンディ・アイアンズ(HAW)との対決は初戦のゴールドコーストでの時と同じで、ケリーが序盤にハイスコアで引き離し、すぐにコンビネーションに追い込みます。焦ったアンディはまたしてもこの作戦にハマってしまい、全く良い所無し!トータル3ptにも届かないロースコアで完敗。ケリーの強さだけが浮きだっていました。

続くSFは、このイベントであまり良い調子では無かったものの、ラッキー続きで勝ち上がってきたタジ・バロウ(AUS)とのカード。バンピーな波で互いにスコアが延びない中、ケリーが手堅くポイントを重ねてラウンドアップ。ケリーが8度もワールドタイトルを獲得出来た強さの秘密は、クリーンで良い波だけではなく、どんなコンディションでもコンスタントに実力を発揮出来るところ。このSFは、まさにケリーのその強さが出たヒートでした。

ファイナルはビードが8.83ptを出して先攻。ケリーは7pt台止まりで終盤まではビードがトップに立ち続けていましたが、ボウルズの奥にあるリンコンへ移動してから一気に流れが急変。ケリーはソリッドな波をつかみ、大きなグラブレールエアーを披露。8.80ptがアナウンスされ、見事に逆転勝利を決めました。
「ビードにはやられたと思ったよ!」とケリー。さらに「ストレスも無かったし、何も考えないでイベントに臨めたんだ。ファイナルまで勝ち上がれただけでもハッピーだったけど、ヒート前にラビット(ASP会長)がリンコンが良さそうだと言っていたのを思い出してこっそり波を探しにいったんだよね。」
「ホント驚いたんだけど、ビードはオレが一人でリンコンに向かってパドルするのを黙って見てた。振り返った時は10ヤード(約9メーター)後ろにいたかな。まだ彼がボウルズにいる時、ビッグエアをかけたあの波が入ったんだ。」
ケリーはこのようにファイナルを振り返っていました。

ベルズは6ftクラスのウネリが入るとボウルズに綺麗なラインナップが現れますが、それ以下のウネリの時は奥のリンコンが良くなることが多く、ここで開催することも多いのです。対戦相手のビードはまだツアーに参戦して4年目。最後には経験の浅さが出てしまったのかも知れません。

ビードは、「本当に悔しいけど、彼はチャンピオンだし、偶然を引き起こす力がある。彼がリンコンへパドルしていくのは見ていたけど、黙って行かせたんだ。それで偶然にもあの波が入って、ビッグエアー!後も上手くつないでスコアを出しちゃったんだよね。」とコメントを残していました。

なお、ベルズのエントリーさえも直前に決めたケリーですが、今回の優勝で8Xを決めた2006年と同じ状況に置かれています。
すでに次のタヒチ戦にエントリーすることや、9Xを狙うというコメントも発表!
昨年はミックに主役を奪われて影が薄かったケリーですが、今年はケリーらしい強さが戻ってきたので、ツアーも面白さを増すことでしょう。

第2戦『Rip Curl Pro』結果
1位 ケリー・スレーター(USA)
2位 ビード・ダービッジ(AUS)
3位 タジ・バロウ(AUS)、ボビー・マルティネス(USA)
5位 ジョエル・パーキンソン(AUS)、ミック・ファニング(AUS)、デーン・レイノルズ(USA)、アンディ・アイアンズ(HAW)

photo: ASP Covered Images