『Quiksilver Pro』&『Roxy Pro』
2008-03-02 更新

この日のスナッパーロックスは2-3ftのクリーンなロングショルダーのグッドコンディション。バレルこそないものの、10回以上アクションが入る波もあり、ミドルレンジでラジカルな動きが得意なサーファーが目立っていました。
この日、好調さが際立っていたのが、H9でミカエル・ピーコン(FRA)と対戦したタジ・バロウ(AUS)。独特のスピードに乗ったライディングで大技を連発し、9.87ptのハイエストスコアを含めた19.20ptというパーフェクトに近いスコアでラウンドアップ!
ヒート後のインタビューでは、「潮が急激に動いていたから早めに数本乗ったんだ。ただ飛びついて出来るだけのことをしたよ。波の壁に向かって何でも。全力を尽くしてスコアをゲットしたのさ。」と話していました。
また、タジに続いて脅威的なスコアをメイクしたのはルーキーのジョーディ・スミス(ZAF)。9.70ptと9.33ptでトータル19.03pt。対戦相手のボビー・マルティネス(USA)をコンビネーションスコアに追い込み、余裕でR4へコマを進めました。
ジョーディは、「ボビーと戦う時は誰だってナーバスになるよ。だってギャングスターみたいでしょ(笑)。今回はゲームプランがラッキーにも良い方向に向かって通過出来たね。」とコメント。
ルーキーとは思えない快進撃を続けているジョーディですが、次の相手はこのイベントを制したことがあるディーン・モリソン(AUS)。ジョーディにとってツアー最初の厚い壁になることは間違いないでしょう。
注目されていたミック・ファニング(AUS)と「スシ・ロール」で有名になったジュリアン・ウィルソン(AUS)のヒートは、ミックが最初の数分で7pt台と8pt台を簡単に出してしまい、ジュリアンを圧倒。ダメ押しの9pt台をスコアした時点でこの勝負は決まったようなもので、ジュリアンは全く良い所がないまま完敗。
他にもいわゆるクーリーキッズのディンゴ&パーコや、ビード・ダービッジ(AUS)、テイラー・ノックス(USA)、レオナルド・ネヴェス(BRA)、エイドリアン・バカン(AUS)などがラウンドアップを果たしています。
ネクストコールは3日の朝6時30分。ゴーサインが出ればR3のH11からスタートします。
なお、同時開催の『Roxy Pro』は3月1日に3ftレンジの「スナッパーロックス』でファイナルを終了。
R3では事実上のファイナルとも言えるワールドチャンピオンのステファニー・ギルモア(AUS)と昨年の同イベントで2位に入ったカリッサ・ムーア(HAW)が対決。カリッサのラジカルなサーフィンに押されてステファニーは実力を十分に発揮出来ず、この勝負はカリッサに軍配が上がりました。
カリッサはSFでサマンサ・コーニッシュ(AUS)に敗退してしまい、残念ながらここで姿を消しますが、まだ15歳の彼女には十分な結果と言えるでしょう。昨年、今年とワイルドカード枠で参加しているカリッサが本格的にツアーを回るようになれば、他の選手にとって脅威になることは間違いありません。
ファイナルはそのサマンサとソフィア・ムラノヴィッチ(PER)の戦い。サマンサはヒート序盤に4pt台と5pt台をまとめてリードを握りますが、ソフィアが中盤に8pt台、終了間際には9pt台のハイスコアを叩き出し、サマンサに対してコンビネーションの圧勝で『Roxy Pro』の栄冠を手にしました。
「ファイナルは出だしが遅れたけど、中盤にグッドスコアを出してから攻め始めたの。ボードも調子良かったし、ラストウェーブに乗った時は勝てると確信したわ。最高ね!」とソフィア。
さらに「ここで優勝出来てとても嬉しい!スナッパーの波は大好きだけど、今日まで結果を残せなかったの。良いスタートが切れたけど、シーズンは長いし、上手いガールズが沢山いるから...。ステファニーにレイン、他にも沢山。今日のサマンサも良かったし、勝利に対してハングリーだったわね。」と終了後のインタビューで話していました。
ペルー出身のソフィアは2003年にルーキーオブザイヤーを獲得した翌年にワールドチャンピオンに輝きますが、その後は2位、5位、そして昨年はルーキーのステファニーに完全に抑えられた形で2位に甘んじています。彼女の欲しいのはもちろんワールドタイトルだけ。
最大のライバルであるステファニーはこのイベントを9位でフィニッシュしていますが、まだ初戦ということでソフィアも手放しでは喜べない状況でしょう。
photo: ASP Covered Images