『モンスターエナジー・パイプラインプロ』終了!
2008-02-08 更新

強いトレードウィンドとノースショアの基準にしては小さ過ぎるウネリに悩まされたこのイベントですが、残念ながらファイナルデイもリアルなパイプラインとは程遠いコンディション。
しかし、久々にクリアーな晴天に恵まれ、ビーチには水着姿の観客達が多く集まってまずまずの盛り上がりを見せていました。
波の方は2-3ftサイズでたまにもう少し大きなセットが入るものの、綺麗なバレルになる波は少なく、パイプラインよりも隣のバックドア、オフザウォールを中心としてヒートが進行。そんな中、セミファイナルまで残った8人の選手は全てハワイアンとなり、細かい駆け引きよりも、シンプルに技を競い合うガチンコ勝負となりました。
セミファイナルで強さを見せていたのはパンチョ・サリヴァン、ロイ・パワーズ、フレッド・パターチアなどのエリートツアーのメンバー達。ファイナルはこの3人の選手プラス、ハワイのイベントでは常に上位に顔を出すダスティン・バルカの争いとなりました。
そのファイナルはパンチョがパーフェクト10を含む18.75ptで圧倒的なリード。2位のフレッドをコンビネーションスコアに追い込み、文句なしの勝利!パンチョは2005年に続き、同イベントで2度目の優勝を決め、賞金7,000USドルとWQSの875ポイントを獲得しました。
パンチョはファイナル終了後のインタビューで「非常に難しいコンディションでの勝負だったから、コツコツとポイントを重ねる計画にしたんだ。小さいながらフェイスがある波もあったから、それを狙ってね。あんな良い波に乗れたのはラッキーだったよ。」と振り返っていました。
パンチョはコンテストのエントリーが遅れたため、トライアルから出場して全部で8ヒートを戦い抜きました。これは他のファイナリストよりも多くのヒートを戦ったことになり、今回のイベントでの彼の強さを裏付ける結果になりました。
この件に関しては「ラッキーだった場面もあるよ。嫌な負け方をしなかっただけ、幸運だった。セミファイナルは波回りが悪くて特に困ったね。でも、ツアーが始まる前に出来るだけ沢山のヒートをこなしたかったから、今回はその絶好の機会に恵まれたかな。」とコメント。
昨年のワールドツアーでのパンチョの最高成績はカリフォルニアでの2位。もうすぐ始まる今シーズンのツアーに向けて良い調整が出来たようなので、間違いなくもう一つ上の優勝を狙っていることでしょう。
2位に入ったフレッド・パターチアは序盤にトップになったものの、パンチョに逆転されてからはリードを広げられる一方。ついにはヒート終了のホーンが鳴る前にギブアップして海から上がってしまい、なんと!ピンクのボディーボードを持ってラインナップに戻ってきました。
フレッドはそのボードでチャージしていたので、ある意味プロのパフォーマンスとも言えるでしょう。
「怪我や賞金のことは頭に浮かばなかったよ。オレの中では優勝しか意味がないから...。今日のパンチョには降参さ(笑)だから、あんなことをしたんだ。」とコメントしたフレッド。
パンチョがビーチから担ぎ上げられる時も笑顔で参加していて、表彰台でも終始リラックスした表情。ツアーメンバーの中でも特にファンが多い彼の人柄の良さがにじみ出ていました。
なお、惜しくもQFで敗退したオラ・エレオグラムは、イベント中で最も果敢に波を攻めたことを評価され、特別賞としてトッド・チェイサー・スポーツマンシップ賞が贈られました。
また、このイベントは年末に行なわれるパイプラインマスターズのローカルトライアルも兼ねており、14名のワイルドカードが選出されます。
■WQS3スター『モンスターエナジー・パイプラインプロ』
主な結果は以下の通り。
1位 パンチョ・サリバン(HAW)
2位 フレッド・パターチア(HAW)
3位 ロイ・パワーズ(HAW)
4位 ダスティン・バルカ(HAW)
photo: ASP Covered Images