『ハングルーズプロ』はドラマチックな結末に!
2007-11-07 更新

ブラジルのサンタカリーナにあるインビトゥバで開催されていたASPワールドツアー第9戦『ハングルーズプロ』は、現地時間の11月6日に4-6ftプラスのグッドコンディションの中、全てのスケジュールを終了。
今シーズンのタイトルレースを争っていたミック・ファニング(AUS)、ケリー・スレーター(USA)、タジ・バロウ(AUS)の上位3人の動向が注目されたこのイベントですが、まずはケリーがR4でルーキーのカイ・オットン(AUS)に敗退し、レースから脱落。タジもQFでトム・ウィタカー(AUS)に破れてしまい、その時点でミックのワールドタイトルが決定!
すでにSFのためにアウトで待っていたミックとパーコことジョエル・パーキンソンは、大の親友。次のヒートのことも忘れ、二人は大はしゃぎして喜んでいました。
「ジョエルとアウトにいられたなんて凄い!オレの勝ちが決まった時、彼に言ったよ。これからどうしようか?ってね。彼は、分かんない!とか言ってたっけ(笑) ワールドチャンピオンを決めた初めてのヒートを彼とシェア出来て最高!」
ビーチに戻ったミックは、パーコを含むオージー達に表彰台まで担がれていきました。その間のミックの喜び方は、これまでのタイトルレースでのストレスを全て吹き飛ばすかのような激しさで、熱いブラジリアン達さえも圧倒させるほど...。
表彰台では、前ワールドチャンピオンのケリーからカップを受け継ぎ、そこに注いだシャンペンを一気に飲み干すと、喜びの雄叫びと共に頭上に持ち上げ、最後にはやっと出会えた恋人のように輝かしいカップへ熱いキスを捧げていました。
さらにミックはパーコとのSFも制し、ファイナルではカイ・オットンを抑えて2年連続でブラジルでのイベントに勝利!ミックにとっては、文句無しの素晴らしい一日となりました。
この5年間、ワールドタイトルの指定席はアメリカ人のケリー・スレーターとアンディ・アイアンズのもので、他国の選手達はそれを奪い獲ることが出来ませんでした。また、オージーがタイトルを獲得したのは1999年のオッキーことマーク・オキルーポが最後。
そのことに関してミックは、「オッキーから引き継ぐなんて信じられない。彼はレジェンド。素晴らしいキャラクターを持っているし、クール。アンディと一緒にツアーを回っていた時でも、彼は確固たる決意を持っていた。初めてのワールドタイトルの時はオレもそこにいたよ。それから、ケリー。彼は今の全てのキッズ達にインスピレーションを与えた素晴らしい人だね。」とオッキーだけではなく、ケリーのことも讃えていました。
また、オッキーはミックのタイトル獲得を自分のことのように喜んでおり、「鳥肌が立ったよ!オーストラリアに8年振りのタイトルが戻ってきたんだ。言い過ぎかもしれないけど、これから長い間それは居続けると思うよ。」と嬉しそうに話していました。
26歳にして初のワールドタイトルを獲得したミックですが、彼の栄光を支えてくれたのは、同じ「クーリーキッズ」の一員である大親友のパーコ、ディンゴことディーン・モリソンや、強いシングルマザーの存在。そして、20歳の若さで他界してしまった兄のショーンへの思いが大きかったようです。
「ファイナルにはジョエルが近くにいてくれたから落ち着けた。それにイルカもね。それが兄だったのかどうかは、確かではないよ。でも、今日の全てのヒートでラインナップにイルカがいたんだ。くつろぐようにね。」とミックは話していました。
ミックの左腕にはファミリーの紋章と亡くなった兄への言葉がタトゥーとして入っています。また、ミックには兄のリアルな夢を良く見るというエピソードもあります。
さて、これでASPワールドツアーは、いよいよハワイでの最終戦「バンザイパイプライン」を残すだけになりました。このイベントは「トリプルクラウン」の1戦にも組み込まれているため、すでにワールドタイトルが決まった後でも大いに注目を浴びるコンテストになるでしょう。
スタートはノースショアのハイシーズン真っただ中の12月8日。
もちろん、BCMでもフォローしていきますので、お楽しみに!
第9戦『ハングルーズプロ』結果
1位 ミック・ファニング(AUS)
2位 カイ・オットン(AUS)
3位 ジョエル・パーキンソン(AUS)、トム・ウィタカー(AUS)
5位 ヘイター・アルベス(BRA)、ネコ・パダラッツ(BRA)、レオナルド・ネイブ(BRA)、タジ・バロウ (AUS)
photo: ASP Covered Images